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ENEOS児童文学賞を受賞!絵本作家の田島征三さん

力強い作品で知られる絵本作家の田島征三さん(82)。この度、児童文学の発展に貢献した人に贈られる、ENEOS文学賞を受賞しました。同じく絵本作家として活躍する田島征彦さんは、双子の兄だそうです。

 

▼「ちからたろう」「とべバッタ」「ふるやのもり」などの作品で知られる

 

田島征三さんの作品は、力強いタッチとはっきりした線や色が特徴。見る者を虜にさせる作品を多く生み出しています。
そんなご本人はとても謙虚。「自分に実績があるとは思わない」と語っています。
また、過去に同じ賞を受賞した恩人への思いもあるとのことです。

ご本人曰く、素直じゃない人間で、これまで賞をとっても授賞式に出なかったりしてきたそうです。しかし今回はありがたい気持ちになっているとのこと。

 

大学生の時に出した絵本が児童文学作家の今江祥智さんに認められ・・・

 

田島さんは大学生の時に手刷りで「しばてん」という絵本を作りました。そのうちの1冊が児童文学作家の今江祥智さんに激賞されたそうです。そして今江さんが福音館書店の編集長だった松居直さんを紹介してくれました。それがデビュー作の「ふるやのもり」になったとのことです。
しかし当時は全く売れなく、「子どもに向かない」「芸術家のエゴ」など罵倒されたとのこと。
田島さんはそこから仕事がなくなってしまい、栄養失調になり・・・そんな時にまた今井さんが救いの手を差し伸べてくれました。

 

▼「ちからたろう」が「プラチスバラ世界絵本原画展」の「金のりんご賞」を受賞

 

今江さんは「ちからたろう」の文章を出版社に持ち込んで、「絵は田島征三という絵描きに頼まないとダメ」とまで言ってくれたそうです。しかし出版社からは「こんなに汚い絵本は出せない」とまで言われてしまいました。
しかし今井さんは食い下がらず、「これを出さないのなら、自分の原稿は全て引き上げる」とまで迫ったそうです。そして出版したところ、1969年に「プラチスバラ世界絵本原画展」で「金のりんご賞」を受賞しました。
そして徐々に評判が広がり、仕事が殺到するようになったそうです。

 

▼命の恩人である今江さんと松居さんに並ぶなんて感謝!

 

田島さんは「命の恩人である今江さんと松居さんが受賞している賞と同じ賞を自分がもらってもいいのか」と、緊張した気持ちで賞をもらったそうです。

今回の賞は、特定の作品への賞ではなく、実績に対しての賞ということだそうですがご本人は実績があるとは思っていないそうです。
ご本人は「まだそれほどのことはやっていなく、やるのはこれから」と思っているそうです。御年82歳とは思えませんね。

 

▼まだまだ作品を生み出したい!と意欲たっぷりの田島さん

 

昨年の6月、絶滅危惧種の淡水魚「シナイモツゴ」と少女の物語を作品に仕上げた田島さん。僕たち大人の責任で地球の温暖化は進み、ささまざまな生命が存続の危機に直面しています。
これからを生きる子どもたちのために、大人としてこのまま放っておくわけにはいかない、と思っているそうです。
田島さんは現在、木の実でつくる絵本に取り組んでいるそうです。他にも、ラオスのアーティストと一緒に絵本を作ったりしているそうです。
どれも「ちょっとすごいぞ、これは」というものばかりだそうです。
田島さんにとっては今までは練習で、これからが大事なんだそうです。

 

2022年1月15日(土) 朝日新聞朝刊 より出典・引用しています。

 

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