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元新聞記者が退職して挑んだ「小規模保育園の開園」

長年新聞記者として保育園を取材してきた森川さん。退職して挑んだ「小規模保育園開園」を通じて、感じることをさまざまな視点から語っています。

 

▼2017年開園、2018年に1回目の監査、2019年には2回目の監査

 

2019年の秋、区から指導検査の実施についてメールが届きました。2018年に監査を受けたばかりだったため、2019年にも来るとは思っておらず、びっくりしたそうです。
監査まであと3週間。90ページに及ぶ事前書類の提出し、100種類くらいある帳簿類を整理して当日すぐに出せるようにしなければなりません。

 

▼ここで、2018年に実施された監査を振り返ってみる

 

監査には、事務職員2人、元保育園延長など2人、会計経理チェック担当1人の計5人で来ました。それぞれ「運営」「保育」「会計」に分かれて書類を点検しました。中には重箱の隅をつつくような指摘もあったそうです。朝10時から夜7時まで、8時間に及んだそうです。
知らないが故の指摘はとても勉強になったそう。利用者アンケートが自己評価の範囲に入ることも知らず、ためになったとのことです。
森川さんは、監査は一気に書類を整理できるいい機会だなと感じたとのこと。
職員の健康診断や園の自己評価など、いつでもいいけれども年に一回やらなければならないことは、これを機会に「よしやろう」と襟を正すきっかけになったそうです。
2018年に指摘された項目について、ほぼ改善していため、2019年の今回は3時間くらいで終了ました。

 

▼取材していた側とはかなり違った視点で見え、違った感情も生まれる

 

森川さんは新聞記者時代、保育園の経営破綻や保育士の大量退職など、シビアな問題を取材してきました。
当時は監査が手ぬるいのが原因、と断言していたそうですが、いざ監査を受ける側になると、かなり厳しく細かい点まで調べられることが分かりました。
2019年10月から始まった幼稚園保育園の無償化。保育の質の確保に関心が集まっていますが、監査に指摘を受けた項目を改善につなげることで、保育園の運営は確実に向上する、と感じたそうです。
ただ、形だけ書類をそろえることもできるので、指導を保育に生かすのはその園の力量次第か、とも。
日本全国を回る監査担当者も大変です。でも彼らのおかげで日本の保育の質は世界に誇れるほど高いのかもしれません。

 

 

2019年12月21日(土)朝日新聞朝刊より出典

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