お役立ち情報 お役立ち情報

お役立ち情報

政府の方針「保育士賃金 3%(9,000円)アップ」は朗報か?

岸田首相が先の衆議院選挙の公約に挙げた「介護士・看護師・保育士の賃金アップ」。現場にとって本当に朗報なのでしょうか?

 

▼計算上では「来年2月より保育士の月給が3%上がる」となっている

 

介護士・保育士・看護師の賃金引き上げが話題に上がること自体、とても意義のあることかもしれません。
計算上では、来年の2月から保育士の月額賃金が約3%、1人当たり約9,000円上がるとなっています。
ただ、現場からは、多くの園のおいて実態になっていないのでは?という声も聞かれます。

 

▼例:東京都板橋区の認可施設「わかたけかなえ保育園」では

 

当園では3~5歳児は各年齢を6人づつ混合し、1クラス18人に編成しています。それぞれに保育士を2人配置していますが、状況に応じて保育士を足して対応するそうです。
しかし、国が定める保育士の配置基準は

3歳児・・・子ども20人について保育士1人配置
4~5歳児・・・こども30人につき保育士1人配置

わかたけかなえ保育園に当てはめると、18人の1クラスに保育士は0.8人しか配置できないことにあります。

わかたけかなえ保育園だけでなく、全国の多くの認可保育園は、自治体の独自の加算金額を得て、国の基準の1.5倍ほどの保育士を配置しています。また、状況に応じて、看護師や栄養士なども雇用しています。
1人1人の子どもに応じた保育を実現するためには、国の定めた基準では足りないのです。

 

▼補助金も、国の定めた人数分しか支給されない?

 

私立の認可保育園の委託費は、国の保育士配置基準をベースに計算されています。
今回の「1人約3%(約9,000円)賃金アップ」の場合、0.8人分の加算を2人で分け合うことになってしまいます。
そのため、計算上は1人9,000円アップとなっていても、当園では1人5,800円程度しかアップされないことになります。
同じような園は全国にあるのではないでしょうか。

 

▼2013年ころから徐々に改善されてはきているが、実態とは合っていない

 

保育士不足および待遇の改善が叫ばれ始めたのが2013年、少しづつ待遇は改善されており、厚生労働省の調査では、2012年度と比較して「約14%アップ、最大4万円」と改善が進んだとされています。
しかし、上記のように国の配置基準と実際に配置している保育士の数が実態と合っていません。
実態と合わない限り、賃金の低水準は続いてしまうのでは、と危惧されています。

 

2021年12月1日(水)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/

 

 

無料登録はこちら 求職者様ログイン

最新記事