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認可保育園は増えたけれど、保育の質にばらつき

2020年春、認可保育園に入れない待機児童の数は約12,000人となり、過去最少になりました。
認可保育園の定員はこの5年間で約46万人分増え、これが待機児童が減った要因になっています。
しかし、保育の現場はさまざまな異変が起きています。

 

▼認可保育園で児童虐待が疑われたケースがある

 

本来なら安心して子どもを預けられるはずの認可保育園。しかし、虐待が疑われたケースがあります。
大阪府で2月末、ある私立認可保育園の元職員が、子どもが虐待されていることを母親に電話で告げられました。
母親は、長女が登園を嫌がったりトイレでパニックを起こしたりするようになったとのこと。手足の痛みを訴えたり頬を赤くして帰宅することもあったそうです。
元職員は市役所にも通報していましたが、園長に事実確認を求めただけ。母親が相談するまで立ち入り検査をしなかったとのこと。
結局、虐待をした職員は認め、退職処分としました。また、職員い研修を行うなど、再発防止策をまとめたとのこと。
この母親は認可園ならきちんと行政の目が行き届いていると思っていた」と話した一方で、市役所は民間事業者で起きたことはまず民間で対応してもらうのが基本と話していたとのことです。

 

▼保育士の質が問われることも

 

ある東京の認可保育園では、園内で横行する虐待行為を自治体の窓口に相談したが対応してもらえなかった、と話しています。
その園では、ざわと帽子のゴムを引っ張って園児を泣かせたり、子どもが休園すれば楽になる、と風邪をひいた子どものそばに他の子どもを集めたりしていた保育士がいたとのこと。同僚は笑って見ていたとのことでした。
自治体に相談したところ、「保護者を不安にさせるだけだから外部に話さないで」と口止めをされ、驚いたとのことです。

 

▼保育園の参入は増えたけど、チェック体制が追い付かない現実

 

この数年でさまざまな企業が保育園に参入し、認可保育園は増えました。しかし一方で、保育の質にばらつきが出はじめました。
全国的に保育士が不足する中、基準ギリギリの人員でしのいだり、経験不足の若手に園長を任せることになったり。
何か問題が生じたとき、具体的な調査の進め方は自治体の裁量にゆだねられており、対応もバラバラのようです。。
自治体の担当者は、「保育内容に問題がある、本音は撤退してもらいたい事業者もいる。しかし、待機児童問題も抱える中、強くは言えない現状がある」と語っています。

今後は、保育士の人数や面積などの基準だけではなく、保育の内容についても指導を望みます。
不適切な保育が行われている悪質な事業者は、撤退させるような仕組みを整えて欲しいですね。

 

2020年9月30日(水)朝日新聞朝刊より出典

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