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産まれてくる前の赤ちゃんってどう過ごしているの?

妊娠出産はいわば人類の奇跡の営み。出生前の胎児の動きや働きについて研究が進んできてはいますが、まだまだ分からないことが多いのが現実です。保育士として基礎的な知識は身に付けておくといいでしょう。

 

▼最新の超音波検査

 

子宮の中の羊水で満たされている密閉空間で日々成長する胎児。最近はリアルタイムで胎児の顔がモニターに映し出されるようになりました。
胎児は、寝ているとき以外は新生児にいていて、目を開けたりしかめっ面をしたり。せわしなく動くこともあるし、しゃっくりをすることもあります。泣きわめかないだけ新生児よりもいいかもしれません。
胎児の様子が分かれば母親は赤ちゃんに愛着がわきますし、安全なお産に備えることもできます。

 

▼胎児は日々羊水を飲んでおしっこをしているが、ウンチはしない

 

長崎大学病院の産婦人科医 増崎英明さんが、胎児の様子を約10時間観察したところ、胎児は羊水を飲んでおしっこで出していることがわかりました。その量はなんと700ml。小さな胎児にしては相当の量です。
また、体の表面からはがれ落ちる細胞などを腸にためて、それ以外をおしっこで出しています。そのため羊水は常にきれいな状態に保たれています。
また、赤ちゃんは産まれるまでウンチをしません。出産で産道を通る時、お腹が押されてウンチが出ます。低酸素状態などで弱っている赤ちゃんがお腹の中でウンチをしてしまい、羊水が濁ることもあります。
初めてのウンチは黒緑色。これは胆汁の色素が関係していると言われています。

 

▼産声=肺呼吸の始まり

 

胎児は胎盤から酸素の供給を受け、全身に送り届けています。ですから、肺呼吸はしていません。産まれ落ちた瞬間、産声をあげて肺呼吸に切り替わります。産声が大切と言われるのはこのためです。
超音波で詳しく見たところによると、赤ちゃんは鼻から羊水を吸って出すという行動を繰り返しています。これは、産声や肺呼吸の準備のために、肺を鍛えているのでは、と言われています。

 

▼逆に重大な病気が分かることも

 

技術の進歩に伴い、胎児に異常が見つかったりするケースも出てきました。胎児の病気は産まれてからの治療で良くなることがほとんどですが、残念ながら死産に至るケースもあります。
最近は胎内で治療を行う「胎児治療」が行われるようになりました。代表的なのが双子などで起こる「双胎間輸血症候群」です。双子の場合、1つの胎盤から2つの血管がそれぞれ胎児に繋がっています。この血流のバランスが悪いと胎児が十分育たないことがあります。
これを子宮内に内視鏡を差し入れて治療する方法が確立されています。2012年には妊婦への公的医療保険が認められました。

 

 

2020年1月27日(月)朝日新聞朝刊より出典

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