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どうやっても泣きやまない乳幼児・・・こんな時どうする?

父親・母親なら、何をやっても泣き止まない我が子にどういていいか分からず、イライラが収まらない経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか。
時には突発的に強くゆすぶったり、投げたりしてしまうこともあり、乳幼児が頭部に外傷を負うこともあります。これは誰に起こってもおかしくありません。
保育士は、子どもだけでなくお父さんやお母さんの気持ちに寄り添うことが多々あります。なれない育児で大変な思いをしているお父さんお母さんに、よいアドバイスができるといいですね。

 

▼誰にでもおこりうる頭部外傷

 

乳幼児を激しくゆさぶったり投げつけたりすると、脳の損傷や血管の断裂などが起こることがあります。
軽い場合は嘔吐や不機嫌などの症状がみられますが、重いくなると意識障害や呼吸障害が残ることもあります。
かつては乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)と呼ばれましたが最近は頭部への外傷も含めて「虐待による乳幼児頭部外傷(AHT)と呼ばれるようになりました。

 

▼病院も通報をためらう現状

 

病院内に運ばれた乳幼児に虐待の兆候が見られても、なかなか通報しにくい現状があるようです。
刑事裁判では、2017年以降関西を中心にSBSを巡って7件の無罪判決が出ています。
弁護士側は「兆候があったからといってすぐに虐待を決めつけるのはおかしい、虐待が過剰診断されているのでは」との声が上がっています。
しかし、長年虐待問題に取り組んできた医師や日本小児科学会は、それでは子どもたちが守れないとして、対立する事態になっています。

 

▼決して親を罰したいわけではないのです!

 

医師らは、親を罰したいわけではなく、子どもたちを守るために時には児相に通告する必要があると考えています。
保護者が納得しない児相の一時保護を「冤罪」とか「連れ去り」という表現にするのは不適切です。

保護者からはこんな声が上がっています。
・夜中に寝てくれなくて、思わず投げつけてしまい、後で後悔した。夫はなだめてくれたけど、寝かしつけを変わってくれなかった。
・夜泣きがひどく、仕事中になんとか昼寝をすることで耐えていた。
・保育士なのに自分の育児にはイライラばかり。しんどいことはしんどいと言ってほしい。
・とにかくまわりに相談できる期間や相手がいるだけで違う
・母親の孤独が虐待を生むということがよく分かった
・1日でいいからぐっすり眠りたい

 

▼我慢できない時はその場を離れてみて

 

自治体の3~4か月検診では、揺さぶりは3~4%、口をふさぐのは2~3%が経験があると自己申告しているそうです。
泣き止まない赤ちゃんに対し、イライラして、虐待傾向の無い親でも突発的にこのような行動に出てしまうことがあります。

赤ちゃんが泣き止まず我慢ができなかったら赤ちゃんを安全な場所に寝かせ、その場を数分はなれましょう。とにかく自分を落ち着かせることが大切。
あとで赤ちゃんの様子を見に行ってください。無理やりなきやまそうと思わないことです。
揺さぶりや暴力はしないように。自分を守って下さい。

 

 

2020年7月19日(日)朝日新聞朝刊より出典

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