お役立ち情報 お役立ち情報

お役立ち情報

保育士の配置を増やして声かけ回数を調査してみた!

全国で小規模認可保育園や企業主導型保育園がぞくぞくと開園しています。待機児童が大きく減る中、保育園は量だけでなく質の確保が求められています。
しかし保育の質はなかなか数値化しにくく、改善されにくいテーマでもあります。

 

▼新潟の16園で1歳児に対する保育士の数を変えて影響を比較

 

新潟県の私立保育園・認定こども園連盟は、1歳児の給食の時間に、国の基準である「6人に対して保育士1人」付けた場合と「3人に対して保育士1人」付けた場合とで比較を行いました。
以前から、「子ども6人に対して保育士1人だと、実態に合わない」という現場の声は多く上がっていました。
今回、給食の時間を使って、それぞれの様子を10分間録画し、保育士が子どもに話しかけた回数を比較しました。

 

▼一生懸命のいないいないばあに気付かず。。。

 

子ども6人を見ているケースでは以下のような例がありました。
子どもが保育士に向かっていないいないばあをしているのに、保育士はその子と対角にいる子どもの介助で手がいっぱいで、気が付きません。
しばらくしていないいないばあをしていた子は諦めて、黙って食事に戻ったとのことです。

 

▼声かけの回数にかなり開きがあった

 

調査に参加した保育士27人について、映像と音声を分析しました。

●1歳児3人に対して保育士1人の場合
最も声掛けが多かった子ども:平均86.3回
最も声掛けが少なかった子ども:平均41.7回
・・・声掛けの多い子と少ない子では2.1倍の開きがあった

●1歳児6人に対して保育士1人の場合
最も声掛けが多かった子ども:平均61.6回
最も声掛けが少なかった子ども:平均12.4回
・・・声掛けの多い子と少ない子では5.0倍の開きがあった

この数値はあくまでも平均値。全体の2割りで10倍も差が開いたことも確認されたとのことです。
声や動きが大きい子どもや手のかかる子どもには保育士の目が行き、声掛けも多くなりがちですが、手のかからない子どもやおとなしい子はなかなか目が行き届かず声掛けが少なくなってしまうのかもしれません。

 

▼「関わりたくても関われない・・・」と現場の保育士

 

報告書には、「1歳児6人に対して保育士1人では、十分な関りができないだけでなく、ほとんど関りがされない子どもが出る」と結論付けています。
これから、話しかけた内容の分析や4対1にした場合の研究も進めていくとのこと、この結果から国の保育士配置基準の見直しにつなげたいとしています。

現場の保育士からは、「全ての子どもに関わりたくても遠い席の子は難しい」「お茶をこぼした子がいても、他の子どもの対応をしていてすぐにかけつけられなかった」など、6対1の保育の難しさを語っていました。
また、子どもの情緒の発達を心配する声や、誤飲に気付きにくくなるという声も上がったとのことです。

 

2020年10月10日(土)朝日新聞朝刊より出典

無料登録はこちら 求職者様ログイン

最新記事