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子育てって周りに迷惑ですか・・・「子育て罰」

少子化対策が叫ばれて早20年。少子化は改善するどころか、むしろ進行しています。もちろんここ2年くらいは新型コロナウイウイルスの影響もあるかもしれません。
まだまだ日本は子育てやその世帯・保護者に冷たい社会だと言われています。そんな状況を「子育て罰」と表現した人がいました。

 

▼子育て罰の語源は「child penalty」

 

直訳すると「子ども罰」となりますが、立命館大学の准教授桜井啓太さんは「子育て罰」と訳しました。
子育てをすること自体にまるで罰を与えられたかのような、社会の厳しい冷たさを感じる、という概念を表現しているそうです。

子育てをしていくうえで、社会の構造的な問題がいくつも立ちはだかります。お金がかかりすぎる、子連れ外出の際に冷たい視線を浴びせられる・・・これらは決して当たり前ではないのです。
当事者としておかしいことは「おかしい!」と手を挙げることが、現状を変えることに繋がるかもしれない、そんな期待を持ちながら、この言葉を使っているそうです。

 

▼日本では「子どものことは全て親の責任」なの?

 

子どもを育てるのは体力も気力もお金もかかります。相当に大変なことなのです。
日本は子どもの教育費の負担が重いことで知られています。奨学金を借りて通う大学生は多く、社会に出たとたんに借金を返済することになります。国や自治体からの学費の援助はかなり限定的。日本は今や「大学に通うことが難しい選択肢となっている先進国のひとつ」と言われているそうです。

 

▼表向きは妊娠出産での解雇などは違法となっているけれども・・・

 

現実、妊娠を告げると、上司から難色を示されたりすることもあるでしょう。このような経験をしたことのある人は多いはずです。
夜遅くまで働けなかったり、休日出勤などができなかったりします。本来は妊娠し出産を控えている人が、周りの男性と同様に働けるわけがないのですが、まだまだ日本は男性の基準が社会の基準となってしまっているのかもしれません。

女性側もおめでたいことなのに堂々とふるまえず、肩身の狭い思いをしたり、同僚に迷惑をかけている、と自分を責めてしまったりするかもしれません。

 

▼0~2歳児の保育料こそ高すぎる!

 

幼保無償化が始まり、3歳児以上の保育料は原則無料となっていますが、0~2歳児は住民税が非課税の世帯だけが無料となっており、ほとんどの世帯は異常に高額な保育料を支払っています。
実際にきょうだいでどちらか1人が0~2歳児だった場合、二人合わせて保育料が10万円近くになってしまう世帯も多いとのこと。夫婦のどちらかがパートなどで収入が少なくてもかなり高額で、「何のために働いているのかな」と感じる人は多いと言われています。

 

▼親負担ルール→社会みんなで子どもを育てる意識へ変革するか?

 

日本では、子どもを産んだのだから子どものことはその夫婦の責任とされ、社会全体で子どもを育てていこうとする意識がまだまだ足りません。
子育て罰という言葉を聞いて、若い人の中が「子育ては怖いこと」と感じてしまわないように、と願うばかりです。
若い人たちが「こんな社会なら、子どもは持たない方が合理的」と感じてしまい、それが少子化につながっているのでは、と感じずにはいられません。

そんな中でも、子どもを産み育て、頑張っている保護者はたくさんいます。保育士はそんな保護者に寄り添って、一緒に育児をしていく同士のような関係になれるといいですね。

 

2021年11月6日(土)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/

 

 

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