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日本の長年の課題-母子家庭の貧困率の高さ

厚生労働省が2020年7月に発表した国民生活基礎調査によると、子どもの13.5%にあたる、約7人に1人が貧困状態にあることが分かりました。
中でも、母子家庭の貧困率の高さは長年の課題でもあります。
保育士は、貧困に悩む家庭のお子さんを預かることも多く、支援のための窓口や政策を知っておく必要があるでしょう。

 

▼コロナ禍の前の調査でも7人に1人が貧困状態

 

この調査は2018年時点のもの。コロナ禍になる前でも、子どもの貧困率は高かった傾向がわかりました。
そしてコロナ禍で、このような状況下の子どもたちはさらに困窮していることが想像できます。
実態を把握し、支援をもっと広げる必要があり、早急に行われなければなりません。

 

▼日本は主要7か国中4番目の悪い水準

 

調査は、中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす、18歳未満の子どもの割合を示す数字。
今回の13.5%は、2015年の調査結果13.9%より改善はしているものの、主要7か国では米国、イタリアに次ぐ悪い水準となっています。

 

▼母子世帯の平均収入は231万円という現実

 

子どもがいる世帯全体の平均収入に比べ、母子世帯はその約1/3の231万円。男女の賃金格差もあり、非正規雇用で働く人が多いため、とも考えられます。
NPO法人「しんぐるマザーズフォーラム」が今年6月に行ったアンケートによると、収入が減ったと答えた人が7割にも及びました。
生活費節約のために、食事の回数を減らしている家庭もあるとのことでした。

 

▼政府のコロナ禍支援ではまだまだ足りない

 

児童扶養手当を受給する一人親世帯には、最低5万円、さらに収入が減った世帯はさらに5万円を支給するとしています。
しかし、コロナ禍の影響は深刻で長期に渡ることが予想されます。まだまだ不十分という声が聞かれます。
また、子ども食堂や学習支援に取り組んできたNPO団体などは、企業の寄付が集まりにくくなったり、活動が制限されたりと、苦境に立たされている現実もあります。

 

▼2019年に改正された「子どもの貧困対策法」では・・・

 

安倍政権は子育て世帯への支援を拡充しています。大学の学費の負担軽減や、ひとり親世帯の寡婦控除の適用などを進めてきました。
また、貧困対策の計画策定が市町村にも広げられ、貧困対策大網も見直されました。これらを検証するための指標も細かくなりました。

 

▼成果が表れるのは今後

 

これらの成果はすぐに表れるものではなく、長期的に検証していかなくてはなりません。
日本は従来からこの分野への支援が手薄だと言われてきました。
これから検証して、より高い効果が表れるような施策を望みたいところです。
子どもたちの育ちや学びは社会全体で支えるもの、という認識がもっと広まり、国はもっとたくさん投資してほしいところです。

 

 

2020年8月9日(日)朝日新聞朝刊より出典

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