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ぜんそくの予防や治療に効果なし!「水泳教室」

子どもの習い事で、長きに渡って人気No.1に君臨する水泳教室。しかし、ぜんそくの予防や治療のため、子どもに習わせているという親御さんがいたらちょっと待った!最近の研究では水泳はぜんそくの予防や治療に効果がないことが判明しました。
保育士を目指す人は知っておきたい知識ですね。

 

▼今でも「ぜんそくだから子どもに水泳を習わせている」という親が多い

 

昔からなぜか「水泳はぜんそくや鼻炎の予防や治療に効果がある」とされ、アレルギー症状が改善すると言われていました。
かつて「ぜんそくは親の過保護が原因」と、全く根拠のないうわさがあったため、ぜんそくを患う子どもに習わせていた親御さんは多かったようです。
もちろん心肺機能の向上は見込めるかもしれません。

しかし、国立成育医療研究センターの大矢幸弘アレルギーセンター長らのグループの調査結果によると、「水泳は、ぜんそくや鼻炎の予防や治療に効果はない」としています。
この論文は、アメリカの科学誌「プロスワン」に掲載され、話題になりました。

 

▼国立成育医療研究センターで産まれた子供1100人を3歳~5歳まで調査

 

2003年11月~2005年12月の間に同センターで産まれた子ども1100人について、①3歳の時点で水泳教室に通っているか、②喘鳴(ぜんめい-呼吸をする時のゼーゼー、ヒューヒューという音)があるか、③鼻炎の症状があるか、
を調査し、5歳になるまで経過を観察しました。

3歳の時点で水泳を習っていた子どもは126人、喘鳴の症状があった子どもは265人、鼻炎の症状があった子どもは299人いました。

5歳の時点で過去1年間に喘鳴の症状があった子どもは180人、鼻炎の症状があった子どもは387人いました。

同センターは、3歳の時点で喘鳴の症状があった子どもが水泳教室に通ったことで5歳になって症状が軽くなっているのか、関連を調べました。その結果、統計学的に見て意味のある差はなかったとのことでした。

 

▼水泳はぜんそくの発作が起きにくいスポーツだったためか?

 

かつて水泳はぜんそくの発作が起きにくく、ぜんそくの患者でも楽しめるスポーツでした。
それが少しづつ意味が変わってしまい、「ぜんそくの予防や効果に水泳は効果がある」となってしまったようです。
昔から「この病気には何が効く」といった噂はたくさんありました。

今ではぜんそくの治療薬は格段に進化しており、ぜんそくを患っているせいで、できないスポーツはありません。どんなスポーツでも楽しめるようになりました。

ですから、子どものぜんそくを治療したいからといって、無理やり子どもに水泳を習わせている親御さんがいたら、ここで一旦考え直してくださいね。

 

2020年6月30日(火)朝日新聞朝刊より出典

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