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早生まれの子どもの育児、ポイントを探る

1月1日~4月1日に生まれた子どものことを早生まれと言います。
早生まれの子どもが不利だというのは本当なのでしょうか。育て方のポイントを探ってみましょう。

 

▼早生まれの不利は長く残る?

 

東京大学大学院の山口慎太郎教授は「早生まれの影響は想像以上に長く残る」と語っています。教授らが調査した結果、高校の偏差値に明らかに差が現れたとのことです。
しかしこれは一時にすぎず、いずれ体力も学力の差も縮まります。
なかなか埋まらないのは「非認知能力」とされる部分。要因は学年の区切りもありますが、我が子を思う親の気持ちが影響しているといいます。
こうした事実を分かったうえで子育てに生かすことが大切とのことです。

 

▼「認知能力」と「非認知能力」

 

山口教授が2020年7月に発表した論文の内容では、早生まれとそうでない生徒では高校入学時の偏差値にも差があったことが分かりました。また、30代前半において、所得も約4%ほど低いという結果も出ているとのことです。
カギは「認知能力」と「非認知能力」にあると説いています。

●認知能力:学力テストで示される能力
●非認知能力:最後までやり抜く力、感情をコントロールする力、他人と良い関係性を築く力

学校生活の中ではどうしても認知能力で判断されてしまう傾向が強いです。しかし、社会的に成功を収めている人は非認知能力が高いことが分かっています。

 

▼早生まれの我が子を心配しすぎて、非認知能力が上がらない?

 

認知能力である学力は、学年が上がるにつれてその差は地は小さくなっていきます。しかし、高校入学時の偏差値には差があります。
学力の差は点数や偏差値で分かりやすく目に見え、対策もしやすいです。
そのため親は認知能力に偏って投資をしてしまう傾向があるとのことです。

実際に早生まれの子どもは遅生まれの子どもよりも塾に通っている傾向が高く、学校外での勉強時間も長い傾向が見られます。
一方で、学校外の活動、美術、音楽、スポーツ、外遊びといった時間は短いという結果が出ています。
芸術に触れたりスポーツをしたりすることは、非認知能力の向上に関わっているとされています。

保護者が勉強面の遅ればかりを気にし、そこに重点的に投資した結果、芸術やスポーツ、遊びに触れる時間が減り、そこから養われる非認知能力が育ちにくくなっているというのです。

 

▼早生まれの子どもの非認知能力を高めるには?

 

早生まれの子どもの親は、できるだけ非認知能力を高めることにも力を入れてほしいと、山口教授は言っています。
なぜなら、認知能力の差はいずれうまるからです。
学校外の活動をする、美術・芸術分野に触れる、スポーツに挑戦してみる、積極的に外遊びをするように促す・・・
これらは子どもの非認知能力を高め、社会に出てからの土台となります。

 

2021年1月10日(日)朝日新聞別冊 EduA より出典

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