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コロナ感染対策はしたい、でも愛情のこもった密着保育もしたい・・・

緊急事態宣言が解除され、ようやく保育の現場にも子どもたちの元気な声が響き渡るようになりました。
しかし、コロナ感染対策は必須。でも愛情のこもった密着保育もしたい・・・保育の現場は揺れています。

 

▼保育現場でどのような取り組みが行われているのか

 

東京大学発達保育実践政策学センターが4/30~5/12、全国の保育士970人にオンライン調査をしました。

★感染拡大防止のために実践していること
・行事を中止する、縮小する
・保護者会を中止する
・職員の会議や研修を中止する
・戸外活動を自粛する

★感染予防対策として実施していること
・換気の頻度を増やす
・職員のマスク着用、手洗い、手指消毒の徹底
・園内の消毒の徹底
・子どもの手洗いの徹底

★保育者たちが困っていること
・濃厚接触は避けられない
・顔の前で飛沫が飛ぶことは日常
・おもちゃをなめる。子どもの発達段階には必要なこと
・活動に制限が多い
・外を散歩中に苦情を言われる
・通常保育に戻れる見通しが立たない

 

▼マスクで表情が読み取れない、子どもが不安にならないか?

 

保育園には言葉で全てを理解するのには難しい月齢の子がいます。言葉を発する前の段階の子どもは、相手の表情やリアクションでさまざまなことを理解します。
マスクで顔はほとんど覆われてしまっている状態で、子どもが不安な気持ちにならないか心配する保育者は多いようです。
しかし、東京大学大学院 発達心理学の遠藤利彦教授は、「子どもが一番注目するのは目。優しいまなざしと身振り・声掛けをすれば、安心してもらえる」とのことです。
目は口ほどに物をいう、という故事ことわざの通りですね。

 

▼大人が過度に心配することの方がリスクです!

 

感染対策を徹底したい、けれども温かい保育環境を守りたい。この2つを両立する難しさが現場の課題となっていることはうかがえます。
しかし遠藤教授は、過度に心配しないでほしい、と訴えています。
子どもは、環境の変化に合わせて自ら遊びを見つけたり作ったりできます。子どもの創造力や遊ぶ力を信じてあげて欲しい、と言っています。
また、大人の過度な心配が子供の心理面に影響すると危惧しています。
保育士の不安そうな態度や表情は子どもたちに伝わりやすいです。保育士同士で明るい雰囲気に保てるように声掛けを行って、と言っています。

日本保育学会の汐見稔幸会長も同様の考えとのこと。
一番身近な保護者が、心配・大変、という態度を見せすぎると、子どもも不安な気持ちになってしまうとのこと。
「きちんと手を洗えば大丈夫だよ」と声掛けをするだけで、安心するとも言っています。

 

 

2020年6月6日(土)朝日新聞朝刊より出典

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