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男性だって育児のモヤモヤを語りたい!
2010年、「イクメン」という言葉が新語・流行語のトップテンに入りました。それから10年、男性の育児参加はどのように変わってきたのでしょうか。
▼イクメンの意味、分かっていますか?
2010年頃は、ちょっと公園で子どもを遊ばせただけでイクメンと言われたかもしれません。子どもの誕生日に定時退勤することでイクメンぶっている人もいたでしょう。
オリックスグループが募集しているパパママ川柳では、2019年の大賞は
「イクメンは 名もなき家事が できてから」
ごみを出すとか料理を作るとか、名前の付いている家事ができたからといってイクメンとはいえないのです。
目立たない地味で補助的な家事に気付き、実行できることこそイクメンなのです。
▼文筆業の清田隆之さんは「男性の特権を意識しつつ、真摯に語ろう」
30代を過ぎると結婚を意識する男性と女性とでは考え方に大きく違いが出てきます。
女性は結婚や出産や仕事を含めた将来的な人生設計などを考えます。一方で男性は自分のキャリアだけを考えているでしょう。男性は自分のことに集中でき、これは特権です。
妊娠や出産、子育ては女性の人生に大きな影響を及ぼし、独身時代とは180度 生活も考え方も取り巻く環境も変化します。
しかし男性はそれほど変化はないかもしれません。
なかなか育児を語れない状況ではあるものの、男性として感じた問題を真摯に語っていくしかないのでは、と言っています。
男性もこれからどんどん育児に参加し、モヤモヤする思いを語っていくことが大切ではないかとのこと。
ここ10年、セクハラやDVといった言葉ができたことで、問題が表面化できた面もあります。
男性の育児にもこのような共通言語ができ、問題が表面化することを願いたいです。
▼育児休業を取得したサラリーマン、渥美由喜さんは「加点主義でいこう」
東レの経営研究所に務める渥美由喜さんは、2006年と2010年に育児休業を取得し、珍獣扱いされたことがあるそうです。上司からは「キャリアが台無しになる」などといわれました。
10年経った今、男性の子育てに対する意識が向上してきたことは感じられるものの、未だに取得率は7%。しかも、取得日数は1週間以内という人が6割を占めています。
今の50代の上司は仕事に全てをささげてきて成功してきた経緯があり、なかなか思考が追い付いていかないのでしょう。
育児中の男性からは「両立が上手くできない」といった相談が多く寄せられます。仕事の育児も中途半端であることで自分を責めてしまっているのでしょう。
まだまだ育児を甘く見ている男性は多くいます。家事育児にどっぷりつかることは、想像以上にハードなことと自覚することが大切です。
そして、減点主義ではなく加点主義で考えること。
仕事も家事も30点しかできなかった、ではなく、仕事40点、家事育児40点、地域活動10点、合計して100点、と発想を改めることです。
先進国に後れを取っている日本男性の育児参加。圧倒的に少ない予算をもっと充当してもらうことも望みます。
2020年10月17日(土)朝日新聞朝刊より出典