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園児にマスク推奨、相手の表情を読み取ってコミュニケーションする経験が不足?

保育所の休園が過去最多を記録し、仕事を休まなくてはならない保護者も出てきています。政府は「可能な範囲でのマスクの推奨」と方針を打ち出しました。保育の現場では理解を示しながらも、具体的な対応の方法に戸惑う声も聞かれます。

 

▼2歳児のクラスでマスクの着用を始めた東京都内のある保育園では

 

2020年春からの3~5歳児のクラスでマスク着用を始めたある保育園では、2歳児のクラスでもマスク着用を始めました。
3~5歳児クラスで始めた当初、運動・食事・昼寝以外はマスクを着用して過ごします。もちろん他の感染対策も徹底して行っています。

しかし課題も多く、鼻や顎が出てしまったり、嫌がって放り投げる子もいたそうです。その都度保育士たちは繰り返し説明してきたそうです。
2歳児クラスでも、最初はなめたり噛んだりしていたそうです。でもだんだんと上手に付けられるようになりました。
「小さな子はとにかく慣れさすことが大切」と園長は語っています。

 

▼「一律に求めない」としている福岡県内のある保育園も

 

マスク姿だと、子どもの顔色や表情、唇の色がわかりません。このように、健康状態の把握に必要な様々な情報は顔で判断することも多いそうです。マスクをしてしまうと、子どもの体調不良に早く気づけないかもしれない、という不安もあります。
保護者の中にも、「2歳の子にマスクの必要性を理解させ、正しく着用させるのは難しい」と話している人もいるそうです。

また、きょうだいの上の子はマスク着用で下の子は着用しない場合、親としての対応が難しいと感じる保護者もいるそうです。
さらに、息苦しくなったり熱中症になったりする危険性を考えるとちょっと怖い、と悩んでいる保護者もいるとのことです。

政府は、3歳以上は推奨としましたが、2歳未満は自分で息苦しさや体調不良を訴えるのが難しいとし、推奨していません。

その他にも政府は、
・室内で子どもたちが近距離で歌をうたをうたわないようにする
・密集する遊びや運動を避け、少人数単位にする
・遊具やおもちゃを共有する場合こまめな消毒や交換を行う
・食事の際には机を向かい合わせにしない
などを求めています。ただ、日常的に人手不足の保育現場。運用に支障がないように、園の事情も考慮し、可能な範囲でとしているようです。

 

▼相手の感情をくむ経験が不足しないか危惧する声も

 

NPO法人「こども発達実践協議会」の河合代表は、「相手の表情は、子どもにとってとても大切な情報源。マスクで隠れてしまうことで心の発達に影響が出ないか心配」と語っています。
子どもたちは言葉を話せない頃から、相手の表情を見て感情をくみ取る経験を重ねていきます。自分の感情を相手に伝えるために、相手の顔を見て訴えたり指を差したりします。
このような経験を重ねていって対人コミュニケーションを学ぶのです。
友達とふざけていて、相手がだんだん嫌な顔をしてきたら、「もうやめておこう」と察する、このような経験が不足しないか心配です。

 

2022年2月12日(土) 朝日新聞朝刊より出典・引用しています。

 

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