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今後ますます必要とされる産後ケア施設。キンタロー。さんも救われた!

出産で心身ともに不安定な状態になる母親を支援しようと、産後ケア施設が増えています。
お笑いタレントのキンタロー。さんが2020年1月に第1子を出産した際に利用し、脚光を浴びました。
欧米では一般的に利用される施設ですが、日本はまだまだ遅れているようです。保育士を目指すのなら知識を備えておきましょう。

 

▼2019年度では、全国の928市区町村に設置

 

厚生労働省によると2019年度に産後ケア施設を設置していたのは928市区町村。独自に施設を作ったり、病院に委託したりしています。一部自治体が利用料の補助をしています。
2019年度には、自治体が産後ケア事業の実施を努力義務とする母性保護法の改定も行われました。
厚生労働省は2020年度の予算案でも産後ケア実施の後押しをしています。

 

▼タイプは「宿泊型」「日帰り型」「アウトリーチ型」の3つ

 

宿泊型・・・一定期間宿泊し、個別にケアを受けられる。料金は1泊2日で5,000円~6,000円。
日帰り型・・・日帰りで集団または個別でケアを受けられる。料金は1,000円~3,500円
アウトリーチ型・・・助産師が自宅に出向いてケアする。料金は1,000円以下。

 

▼核家族化、親の高齢化を受けて、ますます必要とされる産後ケア施設

 

出産後の女性の身体は非常にダメージが大きく、分娩によって骨盤がゆがむ人もいます。帝王切開を傷がかなり痛むことも。
出産後はそれまで多く分泌されていた女性ホルモン、エストロゲンが急激に減少し、不安や孤独を感じやすくなります。そのため集団で育児をするようになっていきました。
一方、母乳を挙げたり赤ちゃんを抱きしめたりすると、幸せホルモンと言われるオキシトシンの分泌が増えます。赤ちゃんへの愛着を高める作用もあれば、危険な他者への警戒を強め、攻撃性が増すことも分かっています。

一日中泣きわめく赤ちゃんに、母親だって泣きたくなります。食事も満足に取れず、お風呂も入れず、夜もろくに寝むれず。
核家族が増え、周りに頼る人がいないケースも多くなりました。高齢出産者の増加とともに両親も高齢で頼れない、夫は長時間労働と出張ばかり・・・
これでは母親が孤立してしまいます。虐待やネグレストが起きてもおかしくありません。

今まで赤ちゃんを抱いた経験がほとんどないまま自身の出産にいたることも多く、産後ケア施設はそんな心身ともに窮地に立たされている母親を救う大切な役割を担います。授乳指導や子育て支援なども行っています。

 

▼区役所から紹介されて利用したお笑いタレント キンタロー。さん

 

キンタローさんは、赤ちゃんが産まれたら当たり前に母乳が出てあげられると思っていたそうですが、実際は違いました。
完全母乳ができず、ミルクと併用することに引け目を感じていたところ、助産師さんから大丈夫と言ってもらえ、気持ちが楽になたっとか。
母乳マッサージや足のむくみのマッサージもしてもらえ、とても助かったそうです。

日本で産後ケア施設はまだまだ少ないです。欧米のように増えることを期待しましょう。
また、自治体が補助金を出すなどして、もっと女性が赤ちゃんを産みたい・育てたいと思う社会になるといいですね。

 

 

2020年2月26日(水)朝日新聞朝刊より出典

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