

お役立ち情報
好き嫌いが多い子への上手な食べさせ方
「野菜が苦手」「白いごはんしか食べない」「見た目でNG」といった好き嫌いをする子どもは少なくありません。しかし、無理やり食べさせようとすると、逆に食への苦手意識が強まってしまうことも。
子どもたちの「食べてみようかな」という気持ちを引き出すためには、ちょっとした工夫と“たたかい見守りが大切です。
「嫌い」にも理由があると理解する
子どもが嫌いな食べ物には、それぞれ理由があります。「味が苦い」「食感が気持ち悪い」「前に無理やり食べさせられて嫌だった」など、経験や感覚からくる理由が多く見られます。
まずは、「なんで嫌いなのかな?」と理由を探りながら、“嫌い”という気持ちを否定せず受け止める姿勢が大切です。
無理強いせず「ひと口チャレンジ」を習慣に
「全部食べなきゃだめ!」ではなく、「一口だけ食べてみようか?」と、小さな挑戦を応援する声かけが効果的です。
「見た目はイヤでも、味は意外とおいしいかもよ?」
「先生もちょっと苦手だけど、今日は一緒に食べてみよう!」
ひと口でも食べられたら、大げさなくらい褒めてあげることで、食べられた自信を育てていきましょう。
楽しい雰囲気が「食べたい」を引き出す
食事は「栄養をとる場」であると同時に、「楽しい時間」であることも大切です。笑顔や会話がある食事の場では、苦手なものにもチャレンジしやすくなります。
たとえば以下のような「楽しく食べる」という体験を重ねることで、苦手意識が少しずつ和らいでいきます。
・給食の時間に食べ物クイズをする
・盛り付けを一緒に考える(「トマトはどこに置く?」など)
・「にんじんさん、応援してるよ〜」と食材をキャラにしてみる
食材への興味を育てる保育活動を取り入れよう
栽培やクッキング保育など、食材との距離を縮める活動も、好き嫌い克服に効果的です。自分で関わった食材に対しては、「ちょっと食べてみようかな」という気持ちが芽生えやすくなります。
・野菜の断面スタンプや、におい・手ざわりを楽しむ感覚あそび
・自分で野菜を洗う、ちぎるなどの調理参加
・給食の先生に話を聞く“食育の日”の開催
個々に合わせたタイミングと距離感を大切に
すぐに食べられるようになる子もいれば、長い時間をかけてゆっくり克服していく子もいます。保育士として意識したいのは、“焦らず・比べず・寄り添う”姿勢です。
子どもの食べる力は、一人ひとり違うペースで育つものです。安心できる関わりが、その子の一歩を支えてくれます。
・「今日は見るだけでもOK」「においだけでもいいよ」と選択肢を広げる
・周囲の子と比べる発言を避ける
・家庭とも連携し、家と園での対応を共有しておく