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着るおくるみ「スワドル」寝返りを始めたら卒業
赤ちゃん用の「スワドル」と呼ばれる着衣型のおくるみが注目を集めています。
これは、赤ちゃんの体をやさしく包み込むことで、安眠を促す効果があるとされています。
しかし、日本小児科学会は、スワドルを使用していた生後6カ月の男児が心肺停止に陥ったという事例を公表しました。
同学会は、赤ちゃんが寝返りを打つ兆しを見せ始めた段階で、スワドルの使用をやめるよう強く注意を促しています。
(※2025年5月8日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
寝返り期は細心の注意を!スワドル使用中の事故
こどもの生活環境改善委員会によると、ある母親が生後6カ月の男の子にスワドルを着せ、仰向けの状態でベビーベッドに寝かせました。
その後、2歳の兄をお風呂に入れるため、赤ちゃんのそばを離れたそうです。
約20分後に戻ると、男の子はうつぶせの状態で心肺停止に陥っており、すぐに病院へ搬送されましたが、残念ながら2カ月後に亡くなりました。
男の子が着ていたスワドルは、袖の着脱が可能なタイプでした。
商品の公式サイトには、赤ちゃんが寝返りをし始めたら、片腕ずつ袖を外してスワドルからの移行を始めるようにとの説明が記載されていたとのことです。
事故当時、この赤ちゃんは仰向けからうつぶせへの寝返りはできたものの、うつぶせから仰向けに戻ることは完全には習得できていませんでした。
また、使用していたスワドルの袖は両方とも付いたままだったため、寝返り後に元の姿勢に戻れず、窒息を引き起こした可能性があると考えられています。
このような事故を防ぐためにも、赤ちゃんの発達段階に応じてスワドルの使用を見直すことが重要です。
特に寝返りが始まる時期には、安全に十分配慮した対応が求められます。
赤ちゃんの成長は早い・・・成長の兆しを敏感に感じ取ろう
同委員会が市販されているスワドル約30製品を調査したところ、腕を出せる仕様や袖が取り外せるタイプは全体の約60%にとどまっていました。
また、寝返りをし始めた際の使い方について具体的に記載されている製品は、全体の約30%に過ぎなかったとのことです。
事故を未然に防ぐためには、いくつかの重要なポイントがあります。
(1)スワドルを使用している間は赤ちゃんを必ず仰向けに寝かせること
(2)ベビーベッドの周囲には物を置かず、赤ちゃんの動きを妨げない環境を整えること
(3)寝返りの兆候が見られた段階でスワドルの使用を終了すること
同委員会は、「子どもはある日突然できるようになることがあるため、寝返りを実際に始めてからではなく、兆しが見えた時点でスワドルの使用を控えてほしい」と呼びかけています。
赤ちゃんの急速な成長に合わせて、保護者が柔軟に対応することが、安全な睡眠環境を保つうえで欠かせません。