

お役立ち情報
日本脳炎とおたふくかぜのワクチンが不足、出荷は秋以降に
子どもが受ける予防接種の中で、日本脳炎とおたふくかぜのワクチンが大幅に不足しているとの情報があります。
何が原因なのでしょうか。また接種できるのはいつになるのでしょうか。
▼定期接種4回の日本脳炎と、任意接種1回のおたふくかぜ
現在、日本脳炎のワクチンは、3歳を過ぎてから3回接種、その後9~12歳で追加接種を1回行います。
おたふくかぜは1歳を過ぎてから1回接種。3歳を過ぎてもかからなかったらもう1回摂取することが推奨されています。
今回この2つのワクチンが春ごろから品薄になっています。新型コロナウイルスの流行とは無関係。ワクチンを製造する2メーカーの製造工程で不備があったためとのことです。
▼ワクチン製造工場での不備が原因
おたふくかぜのワクチンを製造する国内2社メーカーのうち、武田薬品工業の出荷量が今年の4月から大きく減っています。
3~4月に山口県の製造工場内で室内を無菌化するエアフィルターに不備が見つかりました。
このため、出荷予定だったワクチンを全て破棄。在庫は4月末になくなってしまいました。
出荷の再開は10月になるとのことです。
日本脳炎のワクチンは製造している2社メーカーのうち、阪大微生物病研究会の香川県の工場内で、昨年の11~12月に原液の製造工程で不純物が生じました。
出荷の再開は12月を予定しているとのことです。
これらの2社を合わせると、例年よりも80万回分の供給が不足するとのことです。
▼日本脳炎ワクチンは、未接種者と2回目を優先に
日本脳炎のワクチンについて、厚生労働省は、未接種者と2回目接種者を優先するように通知を出しました。
日本脳炎は計4回の接種が必要ですが、抗体ができていない未接種者と2回目接種者がリスクが高いとみています。
おたふくかぜのワクチンは1回(推奨2回)の任意接種だが多くのクリニックは在庫や患者の必要度を見て対応しているとのことです。
▼過去に後遺症が残った例も
例えば千葉県では2015年に日本脳炎にかかった子どもに重い障害が残った例があります。
また、おたふくかぜも、かかった後に難聴となるこどもがいます。
接種できずにり患してしまわないように、周りは注意が必要です。
2021年5月3(月)朝日新聞朝刊より出典