お役立ち情報
多様な子どもと向き合う保育士に求められる「共に学ぶ」環境づくり

子どもにはそれぞれ得意なことや苦手なことがあり、必要とする支援も異なります。
一般社団法人UNIVA理事の野口晃菜さんが語るインクルーシブ教育から、保育や教育に携わる人が一人ひとりの違いと向き合うことの大切さを考えます。(※2026年4月15日の朝日新聞の記事を参考にしています)
「みんな同じ」が難しい子どももいる
野口さんは、インクルーシブ教育を単に「障害のある子どもとない子どもが一緒に学ぶこと」と捉えるだけでは十分ではないと指摘します。
大切なのは、多様な子どもがいること自体を学校の日常として、その環境に合わせて学校のあり方を変えていくことです。
現在の通常学級では35~40人に教師1人が基本で、同じ目標を同じペースで学ぶことが前提となっています。
しかし、子どもの個性を考えると、全員が同じ方法で理解できるとは限らないという点には納得できます。
これは学校だけでなく、保育の現場でも考えてみたい視点です。
支援したくても一人では難しい現実
特別支援学級では8人に対して教師1人が配置され、通常学級とは異なる教育課程を組むことができます。
一方、障害のある子どもが通常学級に在籍すると、基本的には他の子どもと同じ仕組みの中で学ぶことになります。
教職員が一人ひとりに合わせた学びを実現したいと思っても、人員や教材などが十分でなければ限界があります。
保育士の仕事でも、子どもに丁寧に向き合いたいという思いと、実際の人員や業務量との間で悩む場面があるのではないでしょうか。
働く環境は、保育士の就職や転職を考える際にも見過ごせないポイントだと思います。
同じ場所で過ごすだけでは「共生」にならない
特別支援学校や特別支援学級の子どもが通常学級の子どもと一緒に学ぶ「交流及び共同学習」という制度もあります。
しかし、特別支援学校の子どもが参加できる機会は年2~3回程度だといいます。
野口さんは、それだけで共生社会につながるのかと問いかけています。
イベントのように時々交流するだけでなく、日々同じ地域で顔を合わせ、互いの違いを自然に知っていく経験にも意味があるのではないでしょうか。
子どもの頃から多様な人と過ごすことが特別ではなくなれば、大人になってからの人との関わり方にも新しい視点が生まれそうです。
保育士も子どもと一緒に学んでいく
2025年9月の中央教育審議会の「論点整理」では、次期学習指導要領に向けた柱の一つとして「多様性の包摂」が掲げられています。
野口さんは、大人が想定できる多様性には限界があり、大人は子どもに一方的に教える存在ではなく、共に学ぶ立場であることが重要だとしています。
保育士もすべての子どもへの対応を最初から知っている必要がある、という考え方ではなく、目の前の子どもを知りながら考えていく姿勢が大切なのかもしれません。
子どもだけでなく保育士にも無理をさせず、多様な人が安心して過ごせる保育環境について社会全体で考えていきたいものです。








